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疒(やまいだれ)の歌
紹介文
2013年の春、私は西村賢太の短編『春は青いバスに乗って』※1を読み、「私(わたくし)小説」※2の世界に没頭しました。今回紹介する作品は、北町貫多の十代の終わりを描いた物語です。主人公の貫多は、他人に理解されない葛藤のなか心機一転を図ろうとします。彼は怒りの中であっても「損得」を天秤に掛け、常に冷静さだけは失わず、生きる上で最適な方法を選択します。周りの人からどう思われようが、一切群れず、周りの視線にも動じず、一匹狼として駆け抜けた生き様に私はある意味「共感」を覚えました。
北海道新聞の記事で、作家・桐野夏生さんは「共感」についてこう語っています。
「人が小説を読むのは、誰もが根源的に死に対する恐怖や生きる苦悩を抱えているから(省略)」※3あの頃の私は、彼の小説から少なからず「生きる力」を与えられていたように感じます。図書館には「生きる力」を秘めた作品が眠っています。この先、「生きる糧」となるような作品に巡り会えると良いですね。
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| 書名 | 疒(やまいだれ)の歌 |
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