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外科医須磨久善

紹介文

 『命』に携わる医療現場において、失敗は絶対に許されない。失敗は『あらゆる死』をもたらす。その世界において、奇跡の心臓手術『バチスタ手術』に挑む1人の気概をもった人物がいた。心臓外科医の須磨久善氏である。
本書は、須磨氏の評伝であり、心臓外科医として頂点に至るまでの功績を描いている。それを活写した著者は、医師であり作家であるため、医療に明るくない読者にとっても難なく理解できる表現で語っている。
 中学2年生の時に、外科医になる夢を見て決意した主人公は、大学卒業後研修医として勤務。米国に留学した後、外科研修を経て36歳でバイパス手術において世界初の術式を成功。41歳でハイリスクギャンブルといわれる心臓の公開手術(海外で行うのは日本人初)を行い、未来への扉を開く。その後、イタリア最大の私大病院で勤務し、ローマ永住を半ば決めていた時に出会った『バチスタ手術』。帰国を決意させた決定打は、愛犬の死であった。帰国後、1人の人物との出会いにより、本邦初のバチスタ手術が実現できたものの、術後12日目で亡くなる。失意の中、希望の光を与えた遺族の手紙は主人公の心をゆっくりと溶かす。2例目に重くのしかかる『2つの死』を乗り越えたその先にある未来とは。
 須磨氏は「プロジェクトX(視聴覚資料:本学所蔵有)」にも出演しており、こちらの資料も薦めたい。「一流になるためには地獄を知り、忘れる事」。主人公の言葉の謎を解いてみてはいかがか。

紹介者
ジロー
書名 外科医須磨久善
著者名
海堂尊
分野
心臓外科
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所在
3F一般図書
請求記号
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